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日本農業新聞2011年8月8日一面掲載

【以下、記事全文】

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 高品質ミカン生産の確立へ

情報通信技術を活用

 勘に頼らず管理

     和歌山の農業法人など

 

<見出し>

 情報通信技術を使って温州みかんの栽培履歴と結果を蓄積、収量と品質などの因果関係を分析し、高度な管理作業を確立するための実証実験が、和歌山県有田市の農業生産法人・早和果樹園で始まった。同法人の従業員は、パソコンや携帯電話で日々の作業内容や収量、品質などの情報をコンピューターに送信・蓄積して分析。適切な管理方法を木や園地ごとに園地ごとに割り出すための材料として活用する。情報は毎年蓄積し、精度を高める。情報に基づく高品質ミカン生産につなげるのが狙いだ。(窪田新之助)

<本文>

実施試験は同法人と富士通、県農林水産総合技術センター果樹試験場が行う。あらかじめベテラン農家が持っている栽培技術や経験・知恵と、果樹試験場の研究成果を富士通のデータセンターのコンピューターに集積。同法人の従業員は、これらの情報を参考に日常作業を行う。

 また、従業員は園地に携帯電話のスマートフォンを持参。5000本の木1本ごとに、異常があれば症状や病害虫の画像を、データセンターにメールで送る。センサーも5ヶ所に設置し、気温や降雨、土壌水分、日射量などの測定値を自動的に収集する。こうして得た生産履歴と収量・品質の関係を分析、適切な管理方法を3者で検討する。

 これらの情報は同法人のベテラン従業員や果樹試験場の研究者もパソコンで閲覧できるため、離れた場所から園地の従業員に適切な作業を随時指導することもできる。

 携帯電話には衛星利用測位システム(GPS)の機能が付いており、従業員が園地に入ってから出るまでの時間を自動的に計測。使った農薬や肥料の種類、量などのデータも送信する。これらの情報から人件費や資材費を算出、園地や木ごとの損益分岐点も割り出す。

 一連のシステムの導入で同法人は、糖度12度以上などの条件を満たす、和歌山県のブランド「味一みかん」の割合を、現行の25%から将来は70%に高める目標を掲げる。同ブランドの出荷量は現在、県全体の数%にとどまる。

 早和果樹園の栽培面積は5.5ヘクタールで、従業員数は35人。実証試験への参加について秋竹新吾社長は「ベテランとはいえ、勘で作ってきた部分が多い。栽培を見直せばもっと良い物が作れるはずだ」と期待する。「従業員には農家以外からの出身者が多い。適切な管理を伝える事が産地発展のためにも重要だ」という。富士通は実証試験で蓄積した情報を基に、他のミカン農家が利用できるシステムをつくる方針だ。

 

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