みかん農業の6次産業化による地域活性化への取り組み
- この記事を書いた人
- 青山 航大
- この記事を監修した人
- 秋竹 新吾
目次
日本一のみかんの産地和歌山県有田市にある早和果樹園は7戸のみかん農家が集まって組織した農業法人です。このブログでは早和果樹園の成り立ちや、取り組みについてご紹介します。
早和果樹園について
早和果樹園(そうわかじゅえん)の始まりは1979年。7戸の有田みかん農家が立ち上げた「早和共選組合」が前身となって、2000年に「有限会社早和果樹園」を設立しました。
2005年に株式会社化し、有田みかんの生産から加工・販売を手掛ける6次産業化に取り組んでいます。6次産業化の取り組みが認められ、平成26年度6次産業化優良事例表彰において、農林水産大臣賞を受賞しました。
1次産業。おいしいみかんづくりがすべての基本です。
天候に左右されないおいしいみかんの栽培
みかん栽培部門である生産部では20代の若い社員が活躍しています。糖度が高く、おいしいみかんを安定的に栽培するため、みかんの樹が吸収する水分を抑えるマルチシートを積極的に利用し、おいしいみかんの生産に取り組んでいます。
光センサー糖度計の活用
非破壊でみかんの糖度を計測できる光センサー糖度計を活用することで、みかんの糖度を数値で見える化し、厳選出荷に取り組んでいます。
2次産業。有田みかんのおいしさはそのままに
有田みかんに付加価値を付け、1年中食卓にお届けするため100%ストレートジュースやゼリーといった加工品を自社工場で製造しています。2022年には食品安全管理を実践するための国際規格であるFSSC22000を取得し、安全な有田みかん加工品の製造に取り組んでいます。
【FSSC22000の詳細はこちら(外部ページへリンクします。)】
早和果樹園の加工品の多くは、自社工場で搾汁した100%ストレート果汁を原料として作られています。早和果樹園の有田みかん果汁は、みかんの皮をむいてから果肉ごと裏ごしするようにして搾る「チョッパーパルパー方式」という方法で搾汁されます。みかんの皮ごと搾る一般的な搾汁方法に比べて手間はかかりますが、まるでみかんを食べているかのような雑味のないジュースが出来上がります。
3次産業。有田みかんを日本中、世界中へ
販売部門を担当する営業部、直販部は百貨店やスーパーとの取引や、ECサイトでの販売、直営店を運営し全国に有田みかんの加工品をお届けしています。
本社に併設された直営店には、京阪神を中心に全国から多くのお客様が来店されます。
持続できる産地づくりへ
早和果樹園では自社園地でのみかんだけでなく、有田地域の近隣農家さんからも加工用みかんを積極的に購入し、ジュースなどに加工しています。本来なら安値で取引されていた加工用みかんを、相場の8倍程度の価格で買い取ることにより、みかん農家の収益向上に貢献しています。
「にっぽんのおいしいみかんに会いましょう」という、早和果樹園の社是には「みかん」の力で産地と都市をつなぎ、さらには日本中、世界中へとつながりの輪を広げていくという意志が込められています。早和果樹園は地域資源である有田みかんの6次産業化を通じて地域の活性化、魅了ある有田みかん製品をお届けしていきます。
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