みかんとかんきつ事典

不知火(しらぬい)とデコポン®の違い。産地、誕生の歴史から栽培、収穫について紹介します

早和果樹園青山

この記事を書いた人
青山 航大

愛媛大学農学部卒業
大学卒業後、早和果樹園に入社し3年間生産部でみかん栽培の基礎を学びました。現在はオンラインショップの店長をしています。みかんの栽培、有田みかんの歴史などをお伝えします。

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早和果樹園会長秋竹

この記事を監修した人
秋竹 新吾

和歌山県立吉備高等学校柑橘園芸家卒業
2000年に有限会社早和果樹園を設立し、代表取締役就任。
2014年6次産業化優良事例で農林水産大臣賞を受賞。
2017年代表取締役会長に就任。旭日単光章受章
2020年に著書日本の美味しいみかんの秘密を出版。
ISBN978-4-569-84535-7
本ブログの監修を務める。

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2月から3月になるとデコのある見た目が特徴の柑橘「デコポン」がスーパーの店頭に並んでいます。別のスーパーや産直市場では同じような形のみかんが「不知火(しらぬい)」という名前で販売されています。名前が異なる2つのみかんですが、実はどちらも同じ不知火というみかんなんです。このブログではデコポン®と不知火の違いから誕生の歴史、栽培から収穫の様子までをご紹介します。

不知火とデコポン®の違いについて

不知火(しらぬい)とは清見オレンジとポンカンをかけ合わせた品種で、糖度が高いうえに種がほとんどなく食べやすい人気の柑橘です。

不知火のなかでも糖度13.0度以上、酸度1.0度以下という条件を満たし、JAから出荷されるものだけが「デコポン®」を名乗ることができます。デコポン®は品種名ではなく熊本県果実農業共同組合連合会(JA熊本果実連)が所有する登録商標です。糖度・酸度の基準を満たしていても、許可を受けたJAしか商標を使用できないため、JAを通していないものや、個人の農家さんが出荷するものは品種名の不知火として店頭に並んでいます。

不知火の産地、収穫量について

農林水産省平成30年産特産果樹生産動態等調査より作成
順位都道府県収穫量(t)
1熊本県14,071
2愛媛県9,463
3和歌山県5,751
4佐賀県3,411
5広島県3,234
6鹿児島県2,693
7長崎県1,255
合計44,597
表:農林水産省平成30年産特産果樹生産動態等調査より作成

不知火の収穫量ランキングを見ると、九州のみかん産地が多くランクインしています。収穫量第一位は熊本県。収穫量は14,071トンで2位の愛媛県の1.5倍近い収穫量を誇ります。実は熊本県は不知火の栽培に初めて取り組んだ地域として知られており、熊本県宇城市にある「道の駅不知火」にデコポン®発祥の地という石碑が建てられています。次は、不知火の歴史を振り返りましょう。

不知火栽培の歴史

不知火は長崎県にあった農林水産省の試験場で清見オレンジと中野3号ポンカンをかけ合わせた種子から1972年に生まれました。当時は果実の頭の部分にデコがあり見た目があまり良くないこと、収穫直後は酸味が強いという理由で品種登録されませんでした。

一時は品種登録が見送られた不知火でしたが、その苗木が熊本県宇土郡不知火町(現・宇城市)に運ばれ試験園地で栽培が進められました。酸味が強いことから当初は評価を受けていませんでしたが、試験園長の永目新吾氏がたまたま放置されていた不知火を食べ、酸味が抜け美味しいことを発見しました。

それ以降、農協を上げての産地づくりが進められ不知火の栽培は九州地方、愛媛県、和歌山県といった全国のみかん産地へ広がっていきました。

不知火の収穫

次は和歌山県有田市にあるみかんの会社、早和果樹園が栽培する畑での不知火の収穫風景をご紹介します。

不知火の畑
不知火の畑

早和果樹園の不知火の収穫時期は例年1月末から2月上旬ごろ。糖度、酸度を検査してから驟雨核磁気を決めます。早和果樹園では不知火を平坦な畑で栽培しています。不知火の樹は温州みかんに比べて大きく、少しですが枝にトゲがあります。

不知火の収穫
不知火を収穫します

果実を傷つけないように、枝の部分を長くして切ります。

不知火の収穫

果実の際でもう一度切り、有田では「テボ」と呼ばれる収穫カゴに不知火を入れます。

不知火に傷みがないか確認します
不知火に傷みがないか確認します

テボがいっぱいになったらコンテナに移し替えます。不知火は収穫後に貯蔵するため、果実に痛みがないか確認してからコンテナに入れ倉庫で貯蔵します。もし痛みを見逃してしまうと他の不知火にも痛みが広がってしまうので重要な作業です。

コンテナにつまった不知火
コンテナの中の不知火

不知火にキズがないことを確認して、新聞紙をひいたコンテナに並べていきます。

不知火の旬の時期

不知火にはハウス栽培のものと露地栽培のものがあります。ハウス栽培の不知火は1月頃から出荷が始まり、露地栽培の不知火は2月頃から出荷が始まります。早和果樹園では1月下旬ごろに収穫したものを2~3週間おいて酸味が抜けてから2月中旬~3月上旬にかけて出荷していきます。

早和果樹園果樹園では小さくて食べやすい24玉入りから、大きくて立派な15玉入り、サイズ混合のご家庭用4kgまで幅広い商品をご用意しています。和歌山有田で育った不知火を味わってみてください!

この記事で紹介した商品

早和果樹園の不知火
糖度が高く濃厚な味わいのもっちりとした食感が人気の不知火を和歌山有田から産地直送でお届けします。通販で不知火をお探しでしたら早和果樹園をご利用ください。

詳しく見る

【参考文献】
起死回生、「デコポン」にかけたJAうき(宇城)の農家たち(参照2022-2-15)

早和果樹園青山

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青山 航大

愛媛大学農学部卒業
大学卒業後、早和果樹園に入社し3年間生産部でみかん栽培の基礎を学びました。現在はオンラインショップの店長をしています。みかんの栽培、有田みかんの歴史などをお伝えします。

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早和果樹園会長秋竹

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秋竹 新吾

和歌山県立吉備高等学校柑橘園芸家卒業
2000年に有限会社早和果樹園を設立し、代表取締役就任。
2014年6次産業化優良事例で農林水産大臣賞を受賞。
2017年代表取締役会長に就任。旭日単光章受章
2020年に著書日本の美味しいみかんの秘密を出版。
ISBN978-4-569-84535-7
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