みかんとかんきつ事典

和歌山県産有田みかんの特徴~有田みかんはなぜ甘くておいしいのか~

相馬志保

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相馬志保

生産から販売まで行う有田みかんの会社「早和果樹園」直販部EC事業課所属
みかんを美味しく食べる方法や、ジュース・ジャムのアレンジレシピをご紹介します。
「みかんはもっと美味しくなれる」が私のモットーです。

甘くておいしい和歌山県産の有田みかん、皆さん一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?有田みかんとは和歌山県の中部に位置する有田地域で生産された温州みかんのことです。ちなみに、有田みかんの読み方は「ありたみかん」ではなく「ありだみかん」。よく勘違いされることがありますが、実は「ありだみかん」が正しい読み方なんです。 そんな有田みかんですが、なぜ全国的に有名なのでしょうか。他の地域で栽培されているみかんとはなにが違うのでしょうか。今日は有田みかんの特徴や美味しさの秘密をお教えします。

有田みかんの栽培に適した気候条件

有田みかんの産地である和歌山県有田市周辺地域は年間平均気温16.5℃と1年を通して温暖な気候です。さらに日照時間も長いことから非常にみかん栽培に適しています。

特にみかんの甘さが決まる夏(7月下旬から8月)にはあまり雨が降らないことも特徴です。たくさん水分を吸うと味の薄いみかんになり、淡泊なものになってしまいます。適度に乾燥ストレスを与えることで、果汁に含まれる糖が増加し、高糖度の甘い有田みかんになります。

また、10月頃になるとほどよく雨が降ります。これはみかんの果実肥大を助け、減酸効果をもたらします。

このように有田地域特有の気候は果肉が詰まった甘くてジューシーな味わいのおいしい有田みかんを育てることができるのです。

おいしいみかんが育つ養分豊富な有田地域の土壌環境

和歌山県有田市にある早和果樹園が所有するみかん畑の土を持ち上げている様子

和歌山県有田市を中央に流れる有田川、その右岸にある山岳地帯には日本最古の地層秩父古生層が広がっています。この一帯は高い養分保持力と保水力があり、排水、通気性も良好です。このようにみかん栽培に好まれる土壌条件はおいしいみかんを作るのに一躍かっています。

日当たり良好なみかん畑と光の反射を助ける石垣

和歌山県有田地域には山が多く、みかん園の70%以上が傾斜地です。傾斜地にそのままみかんを植えるのではなく、有田地域では石垣を積んで階段状にします。

みかん畑の石垣

石垣は植栽面(作業面)を平らにすることで作業効率を上げるだけでなく、高い排水性や保温効果をもたらします。余分な水分を吸収しないみかんの樹はより甘いみかんを実らせ、さらに保温効果で木の成長を促進させます。

「石垣・海川の面・太陽」の三つの太陽の説明イラスト

有田地域には有田川が流れる内陸部、その両側には山々が連なる傾斜部そして紀伊水道に面した海岸部があり、太陽からの光に加え、川や海面からの反射光、石垣からの反射光、総じて「3つの太陽」がみかんの樹を照らします。効率的に光合成ができるため、たくさんの養分を蓄えることができます。

有田みかんの特徴は?
①みかん栽培に適した気候:日照時間が長く、一年を通して温暖な気候がみかん栽培に適しています。
②養分豊富な土壌環境:有田地域一帯の土壌は、高い養分を含み保水力、排水、通気性も良好です。
③日当たり良好なみかん畑と光の反射を助ける石垣。
この①②③が美味しいみかんを作ります。
「有田みかん」の読み方は?
「ありだみかん」と読みます。「ありたみかん」ではありません。

まとめ

甘くておいしい有田みかんができる理由は和歌山県有田地方ならではの環境や気候が深くかかわっていました。現在和歌山県の温州みかんの生産量は日本一を誇っています。これは全国生産量の約1割をしめており、10個に1個は有田みかんということになります。皆さんも機会があれば和歌山県産の有田みかんを堪能してみてくださいね。

早和果樹園ではみかんの本場、和歌山県産有田地方の温州みかんや旬のカンキツを販売しております。ぜひ産地直送で秋から春にかけての旬の味わいをお楽しみください。

かごに盛られた有田みかん
早和果樹園の有田みかん販売ページはこちら

【参考文献】

有田みかんについて、ありだ農業協同組合HP、参照:2022-08-19

和歌山県有田地域、農林水産省HP

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