みかんとかんきつ事典

温州みかんはどこからやってきた?その歴史と温州みかんの名前の由来をご紹介

早和果樹園泉

この記事を書いた人
泉 果歩

和歌山大学観光学部卒業
現在は受注業務や問い合わせ対応、広報業務を担当。
みかんの知識や有田みかんの魅力、早和果樹園の活動をみなさんにお伝えしていきます。

秋~冬にかけて広く日本中で食べられる温州みかん。手でむきやすく、甘くて美味しいことから人気の高い果物の1つです。

では、そんな温州みかんは一体どこからやってきたのでしょうか?

この記事では、和歌山有田みかんの会社・早和果樹園が世界中のカンキツの誕生から温州みかんの歴史を紹介し、温州みかんの名前の由来や英語の読み方まで、幅広くお伝えしていきます。

世界中のカンキツはどこで生まれた?

カンキツの原生地は中国中南部にかけてのアジア大陸東南部一帯。周辺に伝播することで種を増やし、世界中に広まりました。

カンキツ発祥の中心地については諸説ありますが、日本の農学者でありカンキツの研究者・田中長三郎はインドのアッサム地方がカンキツ発祥の地であると指摘しています。

古来は風や水などの自然、鳥などの動物が種子を運ぶことによりカンキツが伝播したとされていますが、人類が生まれてからさらにカンキツの伝播が加速しました。

日本におけるカンキツの歴史と温州みかんの発見

古来日本に野生していたカンキツはタチバナのみとされています。現在日本にはたくさんのカンキツがありますが、その多くは外国からの導入品種または自然交雑によって生じたものとなります。

江戸時代の主流カンキツはクネンボ、コウジ、紀州ミカンであり、特に紀州ミカンは品質が良いため広く栽培されました。

温州みかんは明治中期頃より広まったとされており、温州みかんの親は長い間明らかになっていませんでしたが、2016年に農研機構で行われたDNA研究により、種子親やキシュウミカン、花粉親がクネンボであったことが明らかになりました。

206種類のSNPマーカーを用いたカンキツ67品種系統のDNA鑑定により、ウンシュウミカンの種子親がキシュウミカン、花粉親がクネンボと推定される。

農研機構HP:「ウンシュウミカンの親がキシュウミカンとクネンボであることをDNAマーカーで推定

温州みかんはどこで発見された?その由来をご紹介

世界中に広がるカンキツの中でも日本でよく冬に食べられる「みかん」、いわゆる「温州みかん」は、鹿児島県の長島付近が原生地とされています。この最古の樹は接ぎ木されたものであったことから、原木は江戸時代以前に発生していたと考えられています。

他にも「温州(うんしゅう)」とは中国浙江省(せっこうしょう)の地名ですが、実は温州みかんは浙江省から伝わったものではなく、中国から伝わったカンキツと交配して偶然誕生したものと考えられています。

日本で人気の温州みかん。名前(読み方)の由来は?

鹿児島県で偶然誕生した温州みかん。ではなぜ「温州みかん」という名前がついたのでしょうか?

1説として、中国の古典「柑録」で温州産のみかんが褒め讃えられていたことから、それにあやかり日本でもおいしいみかんを「温州みかん」と呼ぶようになったと考えられています。

しかし、中国の温州地方には温州みかんは原生していません。温州みかんの名前の由来となった温州地方では、実は温州みかんが栽培されていなかったという少しおかしなお話です。

温州みかんは英語でなんと言う?

みかんを英語にすると何?と聞かれると、orangeと思う方も多くいらっしゃるかと思います。しかし、これは間違いなんです。

温州みかんは英語で「satsuma mandarin」と呼ばれます。鹿児島県の旧名である薩摩(satsuma)が使用されていますが、これは明治初期にアメリカに送られた苗木の生産地が薩摩だったためで、原産地を意識したものではないとされています。

まとめ

温州みかんの歴史はいかがでしたか?温州みかんの背景を詳しく知ることにより、さらに温州みかんに興味を持っていただければとても嬉しいです!

早和果樹園は、日本有数の温州みかん産地・有田で栽培する「有田みかん」を販売しています。9月~2月頃まで温州みかんをお楽しみいただけますので、ぜひオンラインショップをご覧ください。

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★参考資料|

特集1 みかん(1)、農林水産省、参照:2022-06-30

伴野 潔・山田 寿・平 智、果樹園芸学の基礎、一般社団法人 農山漁村文化協会、2013年、p206、ISBN:978-4-540-11204-1

農文協、果樹園芸大百科1 カンキツ、一般社団法人 農山漁村文化協会、2000年、p1151、ISBN:4-540-99331-3

ウンシュウみかんの親がキシュウミカンとクネンボであることをDNAマーカーで推定、農研機構HP、参照:2022-08-04

早和果樹園泉

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泉 果歩

和歌山大学観光学部卒業
現在は受注業務や問い合わせ対応、広報業務を担当。
みかんの知識や有田みかんの魅力、早和果樹園の活動をみなさんにお伝えしていきます。