早和果樹園のみかん製品

濃縮還元とストレートジュースの違いって?製造方法の違いや特徴をご紹介

早和果樹園泉

この記事を書いた人
泉 果歩

早和果樹園本店オンラインショップの店長。入社当初より、お客様からいただくみかんについてのお問い合わせやご注文受付業務をしていた経験を生かし、大好きな有田みかんの特徴や知識をお伝えしていきます。

お店でよく目にする果物100%のジュース。パッケージをよく見ると「濃縮還元(のうしゅくかんげん)100%」と書いているものや「ストレート100%」と書いているものがあります。

同じ100%だけど、濃縮還元とストレートにはどんな違いがあるの?今回は、そんな疑問にお答えするため、和歌山有田みかんの専門店早和果樹園が濃縮還元とストレートジュースの意味や製造方法の違いを、それぞれの特徴を交えながらご紹介していきます。

濃縮還元とは?その特徴を製造方法の違いに沿ってご紹介

みかんジュースをグラスにそそいでいる

濃縮還元とは、搾汁した果汁から水分を除くことによって濃縮させ保存した原料に、水分を加え元の濃度に戻す製法を指します。濃縮方法には下記3種類の方法があります。

・真空蒸発法
・凍結濃縮法
・逆浸透濃縮法

3種類の製法の内、凍結濃縮法、逆浸透濃縮法の利用はまだ少なく、真空蒸発法が広く利用されています。

真空蒸発法

圧力を減らした装置の中で原料を加熱し、水分を蒸発させる方法。芳香成分が減少しやすいことや、一部栄養素が損なわれる可能性がありますが、効率性等の観点から広く採用されている方法です。

出典:濃縮還元の野菜ジュースは栄養が少ないの?|カゴメ株式会社

凍結濃縮法

液体中の水分を凍結させることによって水分と物質を分離させ、物質の濃度を高める濃縮方法です。凍結濃縮は熱を使用しないため、熱による成分の劣化を防ぎ、品質を保ったまま濃縮することができることが大きな特徴です。

出典:凍結濃縮事業|明和工業株式会社

ー逆浸透濃縮法

濃度の異なる溶液の間に水分子以外は通過させない膜を張り、濃度の高い溶液から低い液に圧力をかけることで原料から水分を抜き濃縮させる方法。果汁に含まれる芳香成分が失われにくい傾向にあること、熱による変化を受けやすい成分の変化がみられないことが利点です。

しかし、かなり高度な設備が必要なこと、効率性も低いことから利用数は少ないのが現状です。

ストレートジュースの特徴は?

みかんジュースを工場で充填している画像

ストレートジュースとは、原料から搾汁した果汁をそのまま商品にする製法。余計な保存料等の添加物は使用せず製造するため、原料の味わいをそのまま楽しむことができます。早和果樹園で販売しているジュースはすべて有田みかん100%ストレート果汁です。

濃縮還元とストレートジュースのメリット・デメリットって?

みかんジュースの写真

同じ果汁100%のジュースでも製法が異なる濃縮還元とストレートジュース。
この製法にはそれぞれメリット・デメリットが存在します。

メリットデメリット
濃縮還元・運送費や保管費用を削減することができる
・保存が効く
・比較的安価で販売される
・味が安定しやすい
・原料が持つ栄養素が損なわれる可能性がある
・香料や砂糖を加える場合がある
ストレートジュース・原料そのままの風味を楽しむことができる
・栄養素が損なわれにくい
・比較的高価で販売される
・季節や作柄により味が左右される
濃縮還元とストレートジュースのメリット・デメリット

濃縮還元は、一度原料から水分を飛ばすことで濃縮させているため、運送費や保管場所の費用などが削減できること、保存が効きやすいこと等がメリットとして挙げられます。

価格も比較的安価なものが多く、手軽に原料の美味しさを楽しむことができます。

しかしその反面、水分を取り除く際にビタミン等の栄養素が減少する傾向にあることや、水分を加えて還元する際に香料や砂糖を加える必要があることがデメリットとなります。

ストレートジュースは添加物を何も加えず製品としているため、原料そのままの味わいを楽しむことできることが大きなメリットとなり、栄養素も損なわれにくい傾向にあります。

しかし、輸送費や保管費用等様々な費用が必要となるため、比較的高価な価格で商品が販売されます。

早和果樹園のみかんストレートジュースの作り方

濃縮還元とストレートの違いについておわかりいただけたでしょうか?ここからは、有田みかん100%ストレートジュースを製造・販売する早和果樹園のジュース製造方法をご紹介していきます。

①有田みかんの外皮を剥いてから搾る

みかんの皮むきの様子

和歌山県有田地方は、450年以上の歴史をもつみかんブランド「有田みかん」の大産地。

早和果樹園のジュースは、有田みかんのみを原料としています。

ストレートジュースの多くは、果実ごと搾汁した後に外皮を分離して果汁のみを取り出す「インライン方式」が採用されていますが、早和果樹園のストレートジュースは「チョッパーパルパー方式」を採用しています。

チョッパーパルパー方式は、初めに外皮を丁寧に取り除き、果肉だけをこすようにして搾る搾汁方法です。

②薄皮を裏ごしして搾る

みかんストレートジュース製造のために使用するチョッパーパルパー方式

外皮を取り除いたみかんは画像(上)の機械で細かく砕き、薄皮を裏ごししながら搾汁します。

この工程を3度繰り返すことで粗い薄皮は排出され、細かく砕かれた栄養たっぷりの繊維質はジュースの中に入ります。

この繊維質により早和果樹園のみかんジュース特有のとろみが生まれます。

③FSSC22000認証取得の自社工場で製造

充填された飲むみかん

早和果樹園のジュースは国際規格FSSC22000認証を取得した清潔な工場で充填を行います。その後丁寧な殺菌・検品工程を経て、安心・安全な商品を皆様の元にお届けします。

早和果樹園の有田みかん100%ストレートジュース3種をご紹介

早和果樹園の有田みかん100%ストレートジュース3種類

これまでご紹介した通り、早和果樹園のみかんジュースはこだわりの製法で製造した有田みかん100%ストレートジュースです。

そんな早和果樹園で販売しているジュースは3種類。その違いはズバリ「糖度」です。

有田みかん果汁を糖度別に搾り分けることで3種類それぞれ異なる有田みかんの味わいを楽しんでいただけます。

そこでここからは早和果樹園のストレートジュース3種類の特徴をご紹介していきます。

ー味こいしぼり

味こいしぼり

糖度12度以上の果汁で仕上げた贅沢なストレートジュース。とろっとした舌触りと濃厚な甘みがたまらない、高級ジュースです。

720mlの大瓶にはなんとみかん約30個分が含まれています。

しっかりとみかんのコクが感じられる味こいしぼりは、旧名である「味一しぼり」と同じ商品であり、早和果樹園の原点でもあります。

ー味まろしぼり

味まろしぼり

有田みかん100%ストレート果汁を使用し、糖度11度以上に仕上げたまろやかな甘みが特徴の商品。

甘みと酸味のバランスがちょうどよく、優しいみかんの甘みを楽しむことができます。

リピーターさんも多い早和果樹園の人気商品です。

ー飲むみかん

飲むみかん

飲むみかんは糖度規定を設けず、その年なりのみかんを使用しジュースにしています。

そのため、作柄によって味や風味が変わることが大きな特徴であり、みかんそのままの味わいを楽しんでいただけます。

「まるでみかんを飲んでいるかのよう!」と、嬉しい感想をくださるお客様が多くらっしゃいます。

とろりとしているのに後味さっぱり。美味しく飲みやすい!と早和果樹園で最も人気の商品です。

まとめ

早和果樹園自慢の有田みかん100%ストレートジュース3種の特徴と魅力を知っていただけたでしょうか。

みなさんに安心・安全・美味しい有田みかん商品をお届けしたい。

そんな思いを込めて作った飲むみかんを始めとする有田みかん100%ストレートジュースを、ぜひ楽しんでいただきたいです。

この記事で紹介した商品

味こいしぼり
糖度12度以上の果汁で仕上げた贅沢なストレートジュース。とろっとした舌触りと濃厚な甘みがたまらない、高級ジュースです。

詳しく見る

この記事で紹介した商品

味まろしぼり
糖度11度以上に仕上げたまろやかな甘みが特徴のジュース。甘みと酸味のバランスがちょうどよく、優しいみかんの甘みを楽しむことができます。

詳しく見る

この記事で紹介した商品

飲むみかん
糖度規定を設けず、その年なりのみかんを使用し製造したジュース。作柄によって味や風味が変わることが大きな特徴であり、みかんそのままの味わいを楽しんでいただけます。

詳しく見る

———————

★出典

福谷 敬三 佐野 和男(1983)果汁の濃縮における凍結濃縮と逆浸透法の組合わせプロセス, 日本食品保蔵科学会 食品と低温9(3/4), 97-104

福谷 敬三 小川 浩史(1983)逆浸透法による果汁の濃縮と果汁成分の膜浸透過性, 社団法人 日本食品科学工学会, 日本食品工業学会誌30(12), 709-715

凍結濃縮事業|明和工業株式会社
濃縮還元の野菜ジュースは栄養が少ないの?|カゴメ株式会社
FSSC22000(食品)|一般財団法人 日本品質保証機構 JQA

早和果樹園泉

この記事を書いた人
泉 果歩

早和果樹園本店オンラインショップの店長。入社当初より、お客様からいただくみかんについてのお問い合わせやご注文受付業務をしていた経験を生かし、大好きな有田みかんの特徴や知識をお伝えしていきます。