みかんは冬のもの?みかんの旬の時期をご紹介します!
目次
冬のみかんとは?みかんの旬の時期をご紹介します!
近年は1年中スーパーの店頭にみかんが並んでいます。こたつにみかんと言われるように、みかんといえば冬の果物というイメージがありますが、夏の時期にもみかんを食べることができますよね。季節ごとに品種が異なるのでしょうか?そこで今回は、みかんの本場和歌山県有田市にある農業法人早和果樹園の青山がみかんの旬の時期や美味しいみかんの選び方についてご紹介します。
1) みかんとは?温州みかんとその他のみかんの違いについて
みかんの旬について説明する前にみかんについて少しご説明します。カンキツ類の中で皮がやわらかく簡単にむけるものを総称してみかんといいます。その中でも温州みかんのことを単にみかんと呼ぶことが多いです。
温州みかん以外のカンキツにはデコポンというブランドでも知られる「不知火」、温州みかんとトロビタオレンジをかけ合わせて生まれた「清見」、八朔などが有名で中晩柑類と呼ばれます。
2) 温州みかん、中晩柑類の旬の時期について
温州みかんは約500年前に現在の鹿児島県長島で発生したと考えられており、突然変異などにより様々な系統に分化していきました。旬を迎える時期によって、極早生みかん、早生みかん、晩生みかんという3つに分類されます。それぞれの異なる特徴について見ていきましょう。
・極早生みかん(秋のみかん)
極早生みかんは温州みかんの中でも最も熟期が早いものの総称で、まだ青みが残る9月から10月ごろに旬を迎えます。早生みかんほど糖度が高くはなりづらいですが、残暑の残る秋にピッタリの酸味が特徴です。運動会の時期に食べられるため「運動会のみかん」とも呼ばれます。
極早生みかんは花を咲かせてから収穫されるまでの成熟する期間が短いため糖度が上がりにくい傾向にあります。その中でも和歌山県の由良町で見つかった「ゆら早生」というみかんは極早生品種の中で最も糖度が高いといわれ、中のフクロが薄くとろけるような食感が特徴で近年人気の極早生みかんです。早和果樹園では10月中旬から下旬ごろにゆら早生みかんの出荷を行います。
・早生みかん(冬のみかん)
早生みかんは11月~12月中旬ごろに旬を迎えるものの総称で、果皮が薄く中のフクロも薄くとろけるような食感が特徴です。糖度も極早生みかんより高く、最も美味しいみかんの1つです。早和果樹園がある和歌山県有田地方は早生みかんの栽培に適しており、早生みかんの本場です。ハウス栽培によって生産されるハウスみかんはハウスを加温することにより早生みかんの開花、実ができる時期を調整し、4月から9月頃まで出荷されます。
早和果樹園では「味こいみかん」、「味まろみかん」という2つのブランドで早生みかんを販売しています。
味こいみかんは早和果樹園最高級のみかんブランド。生産園地や実際の味わい、糖度センサーを用いた抽出検査を経て、糖度と酸度のバランスのとれた最高品質のみかんを選抜。年によっては基準を満たすみかんが採れず販売できないこともあります。
味まろみかんは甘くてまろやかな味わいで、糖度と酸度のバランスのとれた早和果樹園の人気みかん。口当たりがまろやかな「これぞ有田みかん」という味わいです。
・晩生みかん
晩生(おくて)みかんは12月中旬ごろから収穫が始まる最も遅くにできるみかんです。晩生みかんは早生みかんに比べて中のフクロが厚く、若干口の中に残りますが糖度が高い傾向にあります。産地としては和歌山県海南市で栽培される「蔵出しみかん」が有名です。
3) 美味しいみかんの選び方
次は美味しいみかんの特徴を4つご紹介します。みかん購入の際の参考にしてください。
①果皮がなめらかで油胞が細かいもの
みかんの果皮をよく見るとオレンジ色のぶつぶつがあります。これは油胞(ゆほう)と呼ばれ、この中には香り成分である「リモネン」という物質が含まれます。油胞が細かく、果皮がなめらかなみかんのほうが美味しい傾向があります。
左)果皮がなめらかで油胞が細かいみかん
右)果皮が粗く、油胞が大きいみかん
②小さいみかん
大きいみかんより小さいみかんのほうが糖度が高い傾向にあります。ただ、大きいみかんは見栄えもよく、大きくて食べごたえがあるため程々のサイズのみかんがおすすめです。
③紅が濃いみかん
太陽の光を多く浴びたみかんは、カロテノイドという色素が多く生成され果皮や果肉に蓄積されています。紅の濃いみかんは太陽の光を多く浴びた証であり、糖度が高い傾向にあります。
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◯紅が濃いみかん
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◯紅が薄いみかん
④果皮と実がピッタリくっついている
この画像のように果皮と実が離れている浮皮(うきかわ)と呼ばれるみかんは水分を多く吸収しすぎており、比較的味が薄いみかんになります。果皮と実がピッタリくっついたみかんを選びましょう。
ここで紹介した美味しいみかんの選び方は一例です。いろんなみかんを食べ比べて季節や産地による味わいの変化、皆さん独自の美味しいみかんの選び方を見つけてみてください!
参考文献
・三輪正幸、からだにおいしいフルーツの便利帳、高橋書店、2014年発行
・岩政正男他、果樹園芸大百科カンキツ、農山漁村文化協会、2000年発行
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